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幕内 恵三; 吉井 文男; Aranilla, C. T.*; Zhai, M.*
JAERI-Conf 2000-001, p.192 - 195, 2000/03
ポリエチレンオキサイド(PEO)やポリビニルピロリドン(PVP)水溶液の放射線照射でつくられるハイドロゲルは、不純物を含まず生体親和性にすぐれているが、脆弱であるという問題がある。海藻多糖類である-carrageenan(-CA)は、胞子野戦分解型のポリマーであるが、PEOやPVP水溶液に-CAを添加して照射すると、ポリマーの放射線橋かけを促進することを見いだした。-CAの主鎖切断ラジカルがPEOやPVPの側鎖切断ラジカルと結合すると推定される。-CAの添加でハイドロゲルのゲル強度が高まった。これらのゲル強度は-CAの添加量と線量に依存した。15wt.%のPVPハイドロゲルでは20kGyでゲル強度は10Nであったが、-CAを5wt.%添加したものでは140Nになった。-CA添加ハイドロゲルは、-OSO基があるため多量の水を吸収できるという特長がある。
宇田川 昂; 瀬口 忠男
EIM-90-121, p.39 - 45, 1990/12
ビスフェノールA系エポキシ樹脂をマトリックスとするGFRPとCFRPの耐放射線性を曲げ強度試験と吸水率試験により評価するとともに、走査型超音波顕微鏡(SAM)により劣化のメカニズムを検討した。劣化開始線量は30~60MGyの範囲にあり、この範囲でVfまたは基材繊維の差異による有意差があった。一方、FRP積層断面のSAM画像は繊維と樹脂の界面剥離、あるいはマトリックスにあるミクロボイド、クラックなどの欠陥に対する非破壊的情報を明確に提供した。その結果GFRPは60MGy以上で界面に剥離を伴い曲げ強度が低下するが、CFRPは界面の接着が良く、Vfが低い場合60MGyまで未照射時の強度を保持することが分かった。また、照射したCFRPは沸騰水に瞬時接触することで熱的衝撃を受け、繊維束と樹脂の境界に沿って大小多数の剥離クラックを生じるため、照射で界面剥離やクラックが発生したGFRPより各線量で煮沸吸水率は高くなることを明らかにした。
八木 敏明; 日馬 康雄; 伊藤 政幸; 岡田 漱平; 川上 和市郎
EIM-86-129, p.1 - 10, 1986/00
電線・ケーブル材料をLOCA模擬環境の様な厳しい条件下に暴すと著しく吸水膨潤する。これらの吸水膨潤現象はLOCA環境時の健全性に及ぼす重要な因子であるため、電線材料である、ハイパロン、EPR、架橋PE、クロロプレン等について、吸水膨潤に及ぼす逐次法LOCA条件の影響を調べた。その結果、照射したゴム材料の給水率は線量および線量率に依存し、線量が増すほどまた低線量率照射程大きくなる。またレーダチャートを用い、LOCA模擬環境下での吸水率に及ぼす影響因子を総合的に比較すると、特に蒸気暴露温度、照射雰囲気、添加空気圧等の影響が大きいことがわかった。そしてこれらゴム中に吸水した水は親水基等に化学的に結合した水よりゴム中のボイド等に物理的に取り込まなれた水が大部分であることが明らかになった。
吉井 文男; 嘉悦 勲
Appl.Biochem.Biotechnol., 8, p.115 - 126, 1983/00
被引用回数:13 パーセンタイル:46.73(Biochemistry & Molecular Biology)ガラス化性モノマーの放射線重合により調製したポリマーフィルム上での細胞の増殖性において、細胞の増殖性に影響すると思われるポリマーの荷電性、水とのぬれやすさおよび吸水率の効果を調べた。この中で増殖性にはポリマーの吸水率が最も大きな効果があり、ポリマー表面が疎水性であるほど増殖性が大きかった。主鎖にオキシエチレン基をもつジメタクリレートポリマーでは、オキシエチレン基の数が2,3の吸水率が2~3%のところで最も細胞の成長が大きかった。この最も増殖性の良い基材は市販の培養皿と同程度の増殖性であった。基材に接着した細胞の形態は、吸水率が低く、細胞が増殖しやすいほど基材の表面に細胞が大きく広がり、強固に接着して増殖していることが判った。
石垣 功; D.J.Lyman*
J.Membr.Sci., 1, p.301 - 309, 1976/00
被引用回数:13ポリプロピレンおよびポリ(4-メチルペンテリン-1)のフィルムに対するN-ビニルピロリドンの放射線グラフト重合を研究し、さらに、得られたグラフト重合体の諸性質を測定した。N-ビニルピロリドンは、同時照射法により上述のポリマーに容易にグラフト重合した。本系グラフト重合における照射線量,モノマー濃度および溶媒の影響が明らかにされた。ついで、グラフトしたフィルムの吸水率,溶質(尿素,グルコース,サクローズ)の透過速度,引張強度および伸度を測定し、グラフト率との関係を求めた。その結果、ポリプロピレン,ポリ(4-メチルペンテン-1)いずれの場合にも、吸水率と溶質の透過速度はグラフト率とともに増加するが、引張強度と伸度はグラフト率の増加とともに減少することが判明した。